PCIT
-
PCIT international 認定セラピスト
-
PCIT international 認定With in Agency トレーナー
として活動中

PCITとは
Parent-Child Interaction Therapy
:親子相互交流療法
子どものこころや行動の問題や育児に悩む親(養育者)に対し、親子の相互交流を深め、その質を高めることによって回復に向かうよう働きかける遊戯療法(プレイセラピー)と行動療法に基づいた心理療法です。
【多様なPCITを受ける方法】
-
PCIT:セラピールームで実施する一般的な方法
-
I-PCIT:ZOOMなどで自宅からセラピーを受ける方法
-
他、家庭訪問において自宅で受ける方法も選択できます。
-
【PCITに関して実施した研究論文の紹介】
◇Ito F, Matano M, Kato I, Monden Y, Sunohara Y, Kawasaki M, Kimura H, Furuichi S, Bussing R, Oe Y, Morita N, Kim Y, Brestan-Knight E, Eyberg S, Kamo T. Establishing norms on the Japanese version of the Eyberg Child Behavior Inventory. Pediatr Int. 2022 Jan;64(1):e14910. doi: 10.1111/ped.14910. PMID: 34233074.
概要)
子どもの問題行動を測定するEyberg Child Behavior Inventory:ECBIという尺度の日本語版を開発した研究です。PCITではECBI尺度を使用してセラピーを実施しています。
◇金山裕望・佐藤寛・木村一絵・佐藤美幸 (2025). 遠隔親子相互交流療法が子どもの問題行動に与える効果:予備的検討. 認知療法研究, 18, 2, 182-192.
学会誌「認知療法研究」第18巻2号(2025年)第24回日本認知療法・認知行動療法学会シンポジウム(1) - 日本認知療法・認知行動療法学会日本認知療法・認知行動療法学会
概要)
PCITを遠隔(オンライン)で自宅にいる親子に実施した研究です。子どもの問題行動の変化を報告しています。
【関連情報】
PCITを受けてみて
4歳児の母親であるAさんより
ー
PCITを受ける前の私は、性格的に順序通りに物事が進まないと嫌な真面目タイプで、子どもには少し厳しい母親なのかなぁという自覚はありました。
4歳の子どもがぐずったり、言うことを聞いてくれない時に余裕のなさから怒鳴ってしまい、その度に「子育て向いてないなぁ」と感じていました。
ご縁があって、木村先生からPCITのコーチングをして頂くことになり、まず最初に思ったことは、「私は子どもをこんなにも誉めていなかったんだ!」と言うことです。
会話の内容も、私が質問していることが多く、子どもが話しているのに私がリードするような話の聞き方をしている事に気付かされました。
CDIで、子どもがリードする遊びの時間を作り、子どもに注目する事で、子どもが集中して遊ぶようになったのはいちばんの驚きでした。スーパーに行くと、私の手をぱっと離していなくなる事がなくなり、外出時の私のストレスも減りました。
PDIのコーチングに移行した際は、私の子どもに抱いていたストレスはかなり減っていて、スムーズに「親の言うことに従う」という一連の流れを問題なく行うことができ、PCITを卒業することができました。
毎日、時間的にも精神的にも余裕がない中で、5分でも子どもと向き合う時間を作ることは簡単な事ではなかったですが、それ以上に得たもの、気付かされたことがたくさんあり、「PCITをやってよかったな。」と思っています。
先生方に、子育ての悩みを相談し、解決方法やアドバイスを頂けるのも有り難かったです。
2歳の時にPCITを受けた小学1年生男児の母親より
私と夫と当時2才の息子の3人でPCITを受講しました。
その頃の困り事は手を繋いでくれない。
興味が湧いたものにすぐに走って行ってしまう。
じっとしていることができない。
お誕生日会も参加できないので、先生が1人ついて廊下で遊んでもらう。
保育園の先生から毎日できなかった事を報告されて悲しくなる日々😢でした。
2才になって数ヶ月後に市が運営している療育へ通い始めました。
なかなか成長は見えませんが本人は楽しそうでした。
そんな時に木村先生からPCITのお話がありました。
その頃、私は下の子を出産したばかりで家に居たので
どんなものかよくわからなかったので、試しにやってみよう!
ということになりました。
正しい声かけ・避けた方がいい声かけを教わり、何が正しいのかがわかってよかったです。
そして、子供と集中して遊ぶ事の重要性を知りました。
保育園の先生には
「たった5分、10分ですか⁉️」と、当時言われましたが
子供はとっても喜んでいました。
6才になった今も、思い出して
「ママとの特別な時間したい!」という事があります。
PDIをしているときは大変でしたが、
これがあるおかげで少しだけ場面の移り変わりに対応できるようになっていきました。
最後に、車に乗るまでママやパパの言う事を聞く事ができたときはとても達成感がありました。
現在は小学校1年生になりました。
通級教室と放課後等デイサービスに通っています。
授業中に鉛筆をカチカチしたり、立ち歩いてしまう事もあるようですが
授業が大好きなので楽しく学校に通っています。
子供の成長は出会った人、先生で大きく変わるのだと実感しています。
あの時誘ってくださった木村先生と、がんばってレッスンを受けた夫と息子と自分と静かにねんねしていてくれた次男に感謝です。
PCITを受けて
――3歳男児の父親より
自分が子どもの頃、父にあまり世話をしてもらった記憶がなく、子どもが生まれた時も、どのように接すればよいか分からないまま、1〜2歳の彼と過ごしていました。仕事も忙しく、育児は妻に任せきりの状態でした。妻も第一子の子育てに日々試行錯誤している様子でした。
第二子の妊娠が分かり、「これからお兄ちゃんになる彼と、どのように関わっていけばいいのか?」「このままでいいのか?」「甘やかしすぎて、わがままな子になってしまうのではないか?」と悩んでいた頃、学生時代からお世話になっている木村先生からPCITのお誘いをいただき、受講を決めました。夫婦での受講も可能とのことでしたが、これまであまり育児に関わってこなかった自分が、きちんと向き合うべきだと思い、一人で受講することにしました。彼が、気に入らないことがあると私を叩くことが多かったため、それをやめさせたいという思いもありました。
遠方に住んでいるため、ウェブ会議ツールを使って受講しました。最初にPCITの概要をご説明いただき、「親子の相互理解と関係性の向上」に焦点を当てたプログラムだという点が、とても印象的でした。
PCITはCDIとPDIで構成されています。
CDIでは、子どもが主体となって遊びを通して交流するステップです。最初の頃はつい私から遊びを提案したり、質問したりしてしまいましたが、先生方からのリアルタイムのコーチングのおかげで、徐々に適切な関わり方が身につき、彼も私との遊びを楽しんでくれるようになりました。平日はコーチングがないため、仕事前に毎朝5分ほどCDIを行っていました。私が朝起きると、「トト(私)! 特別タイムやろうよ!」と、彼が楽しみにしている様子が本当に嬉しかったです。CDIの終盤には、彼が私を叩くことも少なくなっていたように感じます。
PDIでは、遊びの中で親が子どもに明確な指示を出し、親子の関係性を理解し合うステップです。CDIの中に織り交ぜながら行います。CDIのおかげで、彼は指示を聞いてくれることが多かったのですが、数回だけ指示に従えず、タイムアウトを実施することがありました。その際、CDIについては理解していた妻が、「タイムアウトの部屋はかわいそうだからやめてほしい」と言いました。しかし、PCITにおいては必要なステップであり、これを乗り越えることで彼との関係をより深められると説明し、最終的に理解を得ることができました。また、木村先生から妻に直接フォローをしていただいたことにも感謝しています。
タイムアウトの経験を経て、彼は私の指示を全部きちんと聞いてくれるようになりました。PDIの直後に行ったCDIで、私と楽しそうに遊んでいる彼の姿を見て、「彼はタイムアウトを恐れて従っているのではなく、私と遊ぶ特別な時間を大切に思っているからこそ指示を聞いてくれているのだ」と感じ、とても嬉しく思いました。PCITを通じて、彼と深く交流し、理解し合うことができたと実感しています。
受講後は、私を叩くこともほとんど無くなり、今では毎日、彼と楽しく遊ぶ日々を過ごしています。PCITに出会えたこと、そして子どもとの絆を深められたことに、心から感謝しています。木村先生をはじめ、ご指導いただいた先生方、本当にありがとうございました。

